2025年07月07日
クラウド設定監査は本当に必要か?
クラウドサービスの普及により、企業のITインフラは柔軟性と拡張性を手に入れました。しかしその一方で、「設定ミス」という新たなリスクが
急増しています。クラウド環境では、セキュリティやアクセス権限、ログ管理など、数百~数千の設定項目が存在し、それらが適切に管理されていないと、
重大な情報漏洩やサービス停止につながる恐れがあります。
クラウドの『設定』が利用者の責任であることはご存じでしょうか。AWS、Azure、GoogleCloudなどを提供している
大手ベンダーが守るのは『インフラ基盤のみ』で、私たち利用者は『適切な設定と運用』を行う必要があります。
都内のIT企業でセキュリティを担当するエンジニア『A』さん。その朝も、いつも通りコーヒーを片手にメールチェックをしていた。だが、ひとつの件名が彼の目を
釘付けにした。
「Your AWS S3 bucket is publicly accessible」(お使いのAWS S3バケットは公開アクセス可能な状態ですよ。)
差出人は、見ず知らずの海外のセキュリティ研究者。
添付されたスクリーンショットには、見覚えのあるCSVファイル──顧客情報が並んでいた。
「......これ、うちのデータだ。」
『A』さんはすぐに上司に連絡し、緊急対応チームを招集した。
数週間前、社内では新しい顧客管理システムの本番移行が完了したばかりだった。AWS上に構築されたそのシステムは、顧客情報をS3バケットに保存していた。
開発チームは、テスト環境で利便性を優先し、一時的に「パブリックアクセス」を許可していた。 しかし、本番環境への移行時に、その設定が
そのまま引き継がれていた。 この設定により、誰でも顧客情報にアクセスできる状態だった。
社内は騒然となった。情報システムは設定変更や情報漏洩などの確認。広報は謝罪文の準備を始め、法務は個人情報保護委員会への報告を急いだ。
営業部門には、顧客からの問い合わせが殺到した。「御社の情報管理はどうなっているんですか?」
漏洩した情報は、氏名、住所、電話番号、メールアドレス──約50万件。対応費用は、調査・通知・再発防止策の導入などで約2億円にのぼった。
さらに、SNSでは「この会社、大丈夫なの?」という声が拡散され、信頼の回復には、長い時間が必要だった。
設備やシステムのデータ、品質情報、取引先とのやりとりなど、重要な情報がクラウド上で管理されている今、設定ミスや
セキュリティの不備があると、業務全体に大きな影響を与えてしまいます。
導入時だけでなく、流動的に変化するクラウド環境は専門的な視点で定期的にチェックを行うことが重要です。その結果、
こうしたトラブルを未然に防ぎ、安定した運用を維持することができます。また、情報の管理体制がしっかりしていることで、
社内外からの信頼も高まり、新しい技術の導入や業務改善にも前向きに取り組むことができます。
コンプライアンス基準に基づいて、IaaS環境における設定を監査・診断する「クラウド設定監査」は業務の安定と成長を支える為に、
必要不可欠となってきています。
「クラウド設定監査サービス」は、マルチクラウド環境(AWS 、Azure 、GCP)を対象とした、IaaS環境における設定ミスや
漏れをコンプライアンス基準に基づき監査・診断し、定期レポートにて報告するサービスです。また、攻撃の予兆やデータの外部
公開状態を検知・報告しセキュリティリスクを低減します。
マルチクラウド環境に対応 AWS,Azure,GCPのマルチクラウド環境に対応します。
第三者目線の設定監査 第三者の立場からコンプライアンス基準に基づいた設定監査を実施します。
外部公開状態を検知・報告 不審な通信・設定変更を監視し、攻撃の予兆やデータの外部公開状態を検知・報告します。
20ワークロードからのスモールスタート 20ワークロードからのスモールスタートで、クラウド環境の利用拡大に合わせた柔軟な対応が可能です。
本サービスではお客様の環境に基づき、様々な形でのご提案も可能です。
もし、ご興味がございましたら、下記のお問い合わせよりご連絡頂けますようお願い致します。