研究、実験に利用しているので、何度も作り直してトライすることが重要、3Dプリンターはそういう使い方に非常に向いています。
学生の実験では外注だと数百万円もかかる模型はなかなか作れません。それも3Dプリンターを利用すれば自分たちで作ることができます。
削り出しでは作れない形状を作ったり、クリアランスを考えて設計したものを一体造形できるのも3Dプリンターだからこそできることです。
【ProJet 3500HDMaxの優れているところ】 |
・ |
設計図通りに仕上がる |
・ |
水につけても全然問題ない造形パーツ |
・ |
パーツ材にそれなりの硬さがあって、パーツ同士がカッチリはまる 嵌め合いの良さ |
・ |
サポート材が溶けて流れるので、パーツ内部の一部分を空洞にするような3Dプリンターならではの形状が作れる |
導入した当初ちょっと荒めのデータで造形をしたらポリゴンの線がくっきりと出てしまいその再現性の高さにびっくりしました。
水中での実験が多いのですが、VisiJet M3 Crystalで作ったパーツは水につけても何の問題もありません。複数のパーツからなる模型も金属のピンとボルトそして接着剤を併用して組み合わせれば完全な水密を実現できます。
剛性を落とさないで軽量化を実現するための肉抜きをしたデータも3Dプリンターの得意な分野ですが、サポートを除去しやすいので鋳物では不可能なものもできます。
実際に研究している装置は海上や海中に設置しますので非常に大きく、金属板を溶接した構造体に駆動装置などが入っています。しかし実験は水槽で行いますのでそのサイズに合わせた縮小模型を作ります。このサイズで実物と同様に動く機構を作る必要がありますが、ちょうど良いサイズの部品は必ずしも市販されていません。そのため必要に応じてメカニカルな部分であるベアリングやギアもオリジナルのものを全部3Dプリンターで作ることがあります。以前はベテラン技術職員が削り出しなどで作った金属部品を組み合わせていました。と言っても全部は削り出しで作ることもできません。今は3Dプリンターが大活躍です。
広がる活用場面 - とにかく作ってみる
研究者と技術職員ばかりですので3D-CADを扱える人も多く、設計をしてはどんどん使っています。
模型を作るのに必要な部品が市販されているものではサイズがあわないこともあり、そんな時は自分たちで設計して作ってしまいます。
実験模型以外でも、実験に必要なちょっとした道具は設計して作ってしまいます。例えば水中の実験の様子を撮影するカメラを保護するハウジング。カメラにあった形のものを設計して作りました。フルサイズでは作れないのでいくつか分割して造形して組み合わせていますが、ほぼ設計どおりに出来上がるので内部に複雑な隔壁構造などを持っていても水密化が可能です。
企業との共同研究では、実験に使ったものより更に小さなモデルを作って記念品として渡したこともあります。
大学の設備として導入しましたので、研究所内の他の研究室の人たちも使ってます。
結構大きいものを作っていることが多いので、稼働率はもの凄く高いですね。
学生、技術職員、教員それぞれが直接操作して利用しています。それでも今のところは職員みんなが使いこなしているわけではありません。
全国共同利用の研究所ですので他の国立大学の共同研究者からの依頼も請け負ったりしています。複雑な形でも造形できてサポート材もきれいに除去できるので頼まれた先生方からも好評です。